おかあちゃん先生だより no.4

                                           平成26年 1月 6日


 新年明けましておめでとうございます
新しい年を迎え、今日は園児職員みんなで集まりの会を開きました。お休みの子どももなく全員集合元気いっぱいのとてもうれしいスタートでした。お餅をたくさん食べた話をしてくれた子どもたちもいました。お正月は昔から一年のうちでもとても大切な節目の時です。保育園でも遊びや行事の中で子ども達に話をしていきながらしっかり伝えていきたいと思います。今年もどうぞよろしくお願い致します。
さて、先月は個人面談にお越しいただきありがとうございました。お話しの中から、おうちでの子どもたちの姿が見え、とても貴重な時間を頂いたと感じています。今回の面談の中でも、テレビやビデオ(DVD)についての話題や、夜なかなか寝つけない等の話が多くあがっていました。
保育園の子どもたちの様子を見ていても、いらいらして怒りやすい子やなぜか朝から寝そべってごろごろしている子、ボーっとしていたり、中には給食を食べた頃から調子が出て遊びに入る子もいます。その子たちの中には夜遅い時間帯のテレビ番組を見ることが多かったりDVDを見てから寝ている子どももいるようです。一度テレビやビデオが与える影響について考えてみましょう。

                            
 
島根県内の小中学生の間でも目と目を合わすことができない子どもや、自分の考えや気持ちを直接相手に言葉で伝えられず、すぐにキレる子どもたちが増えてきていると言われています。体育館で朝礼中に倒れてしまう子どもも多いのだそうです。背景には、ゲームやテレビなどの長時間の使用による寝不足や会話不足、体力低下もあげられています。乳幼児期をどのように過ごしたのか結果が出るのが、中学生ごろです!だからこそ、今子どもたちにできることは何かをしっかり私たち大人が考えていくことが大切です。

 
どうしていけないの?
 
脳の前頭葉(運動や発語、精神をつかさどる部分)特に前頭前野は人間らしい脳の働きのネットワークをするところです。心の表現をするところ、相手の気持ちを読み取るところだとも言われています。
 テレビ等見ている時やゲームをしている時、目を通じて情報が脳へ伝わるのですが脳の前頭葉の部分は実は活動していない状態です。一方で誰かと楽しいおしゃべりをしている時の子どもの前頭葉の部分は生き生きと働きだします。同じ時間でも過ごし方の違いは脳への刺激が大きく異なるため、積み重ねていくとその影響はかなり大きくなります。


 
脳にとってどうしてよくないの?
 
長時間のテレビやゲーム(携帯電話も!)の使用で前頭葉が働かない状態が続くと、細胞をつなぐ役割を持つ「シナプス」はどんどん死んでいってしまうのだそうです。使われず死んでしまった脳の前頭前野の部分は、色も黒くなってしまいます。
 
親しい人と直接するコミュニケーションすることが、前頭前野の活性化につながり、相手と心を通い合わせ喜びや悲しみを一緒に感じあえるようになっていきます。人として生きる力につながっていく大事な部分です。そしてそれが将来その子が生きていくための源となります。
 乳幼児期は脳の成長にとって重要で大切な時期でもあり、今が一番大事な時期なのです。



まずはおうちで出来ることから始めてみませんか。
○食事の時はテレビを消して

 テレビが付いていると食べることに気持ちが集中できません。会話をしながら楽しく食事をすることが体と心の栄養になります。テレビを消すと、親子の会話も増え、いろんな成長を感じることが多いですよ。家族みんなで意識して取り組んでいきましょう。


○テレビをつける前にルールを決めましょう

 子どもたちは自分で自分をコントロールする力が未熟です。長い時間テレビやDVDにのめりこんでしまいやすい傾向があります。時間や番組を決めて子どもと約束してから見るようにすると、子どもたちも納得できます。子どもと話し合ってから約束することがポイントです。
○寝る前は絵本の読み聞かせがお薦めです。    

 寝る前のテレビやDVDの刺激は強いので、脳が休まらず良い眠りにつながりません。おねしょの原因にもつながることが多いようです。入眠の儀式として是非絵本の読み聞かせをお薦めします。
子どもたちの成長ホルモンは寝ている間の
夜10時から夜中の2時の間が一番多く出ると言われています。そのためには、9時頃にはお布団に入る習慣をつけると良いですね!


親が乳幼児期の子どもたちにしてあげられることで何よりも大切な事は、こどもと直接コミュニケーションをとること。抱っこしたり、楽しい会話を心がけることだと思います。長いようであっという間に通り過ぎて行ってしまう乳幼児期です。大人が子ども達のために必要とすべきことをみんなで考え少しずつでも実践していきましょう!
一度に変える事は難しいですが、出来ることから一つずつ是非家族で取り組んでみてくださいね。お困りのことがありましたら、気軽にご相談ください。
                                                             (文責 内田)


おかあちゃん先生だより no.3

                                           平成23年8月17日

イヤイヤ!やだ!・・・1歳ごろから出てくるこの言葉に、まいってしまう方も多いのではないでしょうか。私自身も、子育て真っ最中の初心者マークの時代には、自分のペースが乱されることにイライラ、子どもをしかって泣かせてしまい、結局一緒になって大騒ぎしてしまった経験もありました!この「イヤイヤ」は実は子どもにとって心が育っている成長の証しでもあり喜ばしいことでもあるのです。ひとりの人間として自分をアピールしている姿は、〈自我〉が育ってきている証拠。そしてこの自我がしっかり育つことが、その子が生きていくために一番大切な自分を好きになり、周りを信じようとする信頼感に大きく関わってきます。そう考えながら接してみると、「いやいや!」と強く主張できる子ほど生きる力が大きく備わっている証拠なのかもしれませんね。
みてみて!自分でする!・・・2歳、3歳のこどもたちがよく言ってくるこの言葉も同様に成長の証。子どものためにちょっとだけ時間を決めて向き合ってみるとスムーズにいくことも多いことが、今になってやっと言える気がします。長女が14歳。私も母になって14歳。一緒に成長していると感じる今日この頃です。みんな失敗したり泣いたり笑ったりして、少しずつ親になっていくものだと思います。 育児でお悩みのことがあれば、いつでもお気軽にご相談くださいね

うちだの
子育てのヒント1)「どっちがいい?」選択肢を与えて選ばせると上手くのってくれる
(繰り返していると同じ手にはのらなくなるので次の手を考える必要あり)


子育てヒント2)「イヤイヤ!」には、してほしい要求と、自分を尊重してほしいという自我の要求の意味が隠されている・・・その思いを言葉にして「○○したかったんだね。」等、代弁してあげるとこどもの気持ちが驚くほど落ち着く。

子育てヒント3)「・・・が終わるまで待ってくれる?」見通しを持たせるとスムーズにいくこと多い。
*「あとで」という言葉には要注意!気持ちがないことがこどもにはバレている!?

兵庫県尼崎市で教育委員を務める元小学校教諭の仲島正教(まさのり)さんの講演会の中で心に残った「10秒の愛」という言葉を紹介したいと思います。
    「10秒の愛」                           
    子どもって、忙しい時に限って寄ってきます。
    子どもって、なかなかさっさとできません。
    子どもって、なかなかはっきり言えません。
        でもたった10秒でいいのです。 まず子どもを抱きしめてあげてください。
        たった10秒でいいのです。 「早く!」って言う前に待ってあげてください。
        たった10秒でいいのです。せかさずにじっと聞いてあげてください。
    すると、そこに 「笑顔」 が生まれます。そこに 「つながり」 が生まれます。
       たかが10秒、されど10秒。
         「10秒の愛」 は子どもを幸せにするのです。



おかあちゃん先生だより no.2

                                           平成23年5月30日
       『食事をしっかりかんで食べることはこんなに大切なんです。』

5月28日子育て講演会で歯科衛生士の安部美智野先生から食べることの意味、かむことと健康のつながり、箸を持たせる時期〜食後の仕上げ磨きの仕方までとても内容盛りだくさんの濃いお話を聞くことができました。

 噛むことの大切さを「卑弥呼の歯がいーぜ」という言葉で表現できるそうです。

 (ひ)は肥満予防 

(み)は味覚の発達 

(こ)は言葉の発音(口の筋肉) 

(の)は脳の発達 

(は)は歯の病気予防につながる(唾液の重要性) 

(が)はがん予防 

(い)は胃の負担を軽くする 

(ぜ)は全力投球(スポーツ選手にとっても歯は命・歯を食いしばることができなければ力が出せない)

一定のリズムを作るかむという動作が気持ちを安定させるホルモンの分泌を促し、学力や集中力へとつながるのだそうです。かむことにはいろんな意味があることにびっくりです。

しっかりかんで食べていますか?保育園でも口先だけでかんで飲み込んでしまおうとする子どもたちの姿が増えていて気になっています。食材の味をしっかり感じないまま飲み込もうとするのでオエッとなってしまいます。奥歯でよく噛んで食材の甘みを感じることは感性を育てることにもつながります。また幼児期の食事のあり方が将来の子どもたちの体のつくりと心の安定感へ大きく影響を与えるそうです。話を聞きながら、自分自身が時間に追われて、ついわが子に「早く食べなさい。」と言っているなあと気がつき反省です。「食事は楽しく味わって食べることが栄養になります。それははもちろんですが、の栄養となりそれがその子の生きる力へとつながっていくのです」そんな安部先生の言葉が心に響きました。子どもたちは信頼している人に褒めてもらうとうれしくてぐんと力を発揮することができます。食卓が楽しく笑顔で囲める場にしていきたいですね。我が家も今日から、まずは食事をすすめる私自身が笑顔でいようと決心しました。


おかあちゃん先生だより no.1
      
                                 平成23年4月27日
                   一期一会(いちごいちえ)

 茶道では、もてなしの心としてとても大切にされている言葉です。一生のうち一度きりかもしれない出会いとして相手のことを思い、その出会いとその時間を大切にしようという意味です。一人ひとりの子どもたち、そして保護者の方との出会いも何かの縁によってつながっているように感じます。過ぎ去っていく日々の中、一つ一つの出会い、この時間、この一瞬を大切にしていきたいと思います。ご心配なことや、分からないことなどありましたら遠慮なく声をかけてくださいね。

絵本の読み聞かせをお薦めします!!●

幼児期は、脳の発達や感性が養われる一番大切な時期といわれています。忙しい毎日ですが、これだけは是非と、私が一番にお薦めしたいのが絵本の読み聞かせです。最も大切にしたい子どもとの触れ合いと直接語りかけることが、絵本を通してのやりとりの中で自然にできるからです。絵本は心の栄養(ごはん)ともいわれます。この心の栄養は、その人の生きていく力の基にもつながると思っています。

長い時間でなくてもよいです。ちょっとだけ手を休めて絵本を一冊、子どもと一緒に読んでみませんか。テレビやDVDなどでは決して代わりにはなりません。安心できるおうちの方の声で語りかけてあげることが一番子どもの心に届くようです。私の経験からすると子育てに疲れを感じた時こそ絵本の読み聞かせは特にお薦めですよ。(不思議と自分のイライラが鎮まったりもします。)

絵本を選ぶポイントもいろいろありますが、絵が分かりやすいもの、色使いで選ぶと良いと思います。お話は言葉の繰り返しがあったり、リズム感があるものを選ぶと楽しくお話に入り易いと思います。「これ読んで」と、同じ本を何回も持ってくるのは、絵本が楽しめるようになった証拠。是非、繰り返し読んであげてくださいね。我が家のこどもたちに人気だった絵本を少し紹介します。      (文責 内田佳榮)

                           
   いないいないばあ    がたん ごとん がたん ごとん  しろくまちゃんのほっとけーき
    (童心社)松谷みよこ
        (福音館 ) 安西 水丸        (こぐま社)わかやまけん


               
               
          ねないこだれだ           三びきのやぎのがらがらどん
          (福音館)せなけいこ           (福音館)マーシャ・ブラウン絵
   

                 たちばら保育園物語

保育園で5年間、保育士として子ども達からたくさんのことを学んだ。結婚して、家には介護を必要とする老夫婦を抱えていたため、H8年に退職することとなったが、実際には、介護、そして子育ては考えていた以上の重労働だった。一世に子育てを含め話し合える仲間や、子供同士が触れ合って遊べる場があったら、どれだけ嬉しく、自分自身助けられることだろう・・・ふと夫にもらしたことがあった。「自分がでていけないなら、人に来てもらえる場所を作れば良いじゃないか」その夫の言葉がきっかけとなり、H10年、傾いていた納屋を解体し、家族の協力の下、H11年に小さな保育園が実現した。 同じような子育て中のお母さんと一緒にスタートした保育園も少しずつ人数が増えて、現在は20人の子供達が元気に遊んでいる。子育てのかんきょうは大きくて深いものだと思う。たちばら保育園は目の前に広がる田んぼや、緑にあふれる山々、地域の人たちも温かく、とても恵まれている。子育ては決して一人でできるものではなく、子供達は周りの大人や子供同士でも学び、育ち、成長していく。みんなで子育てを楽しむ保育園でありたい。小さい保育園だからこそできる温もりのある、あたたかい家庭的な保育園をこれからも作り上げていきたいと考えている